大和ハウス工業株式会社

地域プロジェクト 第5回
「宮城県内の耕作放棄地などを活用し、太陽光発電システムの下でキクラゲを栽培
 太陽光発電と農業を両立するソーラーシェアリング事業」

  再生可能エネルギー事業を専門に取り扱うサステナジー株式会社(代表 取締役:三木浩/以下、サステナジー)が、宮城県登米市と加美町において 太陽光発電とキクラゲ栽培を両立するソーラーシェアリング事業を展開して います。
 本案件では、日立キャピタル株式会社(執行役社長兼CEO:川部誠治/以下、 日立キャピタル)が太陽光発電設備のプロジェクトファイナンス型リースを提供し、 大和ハウス工業株式会社(代表取締役社長:芳井敬一/以下、大和ハウス工業) が設計・調達・建設(EPC)(※1)および保守(O&M)(※2)を行いました。
※1 Engineering,Procurement and Construction ※2 Operation and Maintenance  

 2017年6月より太陽光発電パネルの下部の農地でキクラゲの栽培を開始し、 すべての面積を使用して栽培すると年間約4万㎏の収穫量になります。また、 2017年9月末に発電を開始し、全量を東北電力株式会社へ売電しています。

 ソーラーシェアリングは、農地の有効活用ならびに再生可能エネルギーの 普及を目的として、営農の継続を条件に耕作放棄地などを一時転用し、 営農を継続しながら上部の空間に太陽光発電システムを設置するものです。 耕作放棄地の有効活用や新たな雇用創出などによる地域の活性化が見込める 事業モデルとして注目され、ソーラーシェアリングを行う設備を設置するための 農地転用許可の件数は、これまで累計1,260件以上(※3)に上りました。 
 また、2018年5月に、営農型太陽光発電設備の設置に係る農地転用許可制度 の取り扱いが見直され、それまで一律3年以内であった一時転用許可期間が、 一定の条件を満たすものについては10年以内に変更されるなど、更なる普及を 目指し法制度の面で後押しをする動きがあります。
※3 農林水産省食料産業局 「営農型発電について(平成30年6月)」より

 ソーラーシェアリングは、日射を必要とする作物を生産するために小型の 太陽光パネルを採用し、下部の農地にも太陽光を採り入れるのが一般的 ですが、本案件では太陽光発電システムを建設することによってできる影を 活用し、日射の不要なキクラゲを栽培作物として選定しました。
 キクラゲは国内で流通している商品の9割以上が中国からの輸入に依存して おり、希少価値の高い国産品はニーズが高く、今後の販路拡大が見込める 農作物です。営農については、2017年6月より宮城県の農業法人が地元の方を 新たに雇用し栽培を行っています。

 ソーラーシェアリング事業を展開するには、農地転用許可やパネル下で 栽培する農作物の収穫量の確保など色々なハードルはありますが、全国で 増え続け、滋賀県の面積と同等の広さ(約42.3万ha)まで拡大した耕作放棄地の 改善を促す手法として期待されています。

〔登米市のプロジェクト〕
・発電所の名称  :登米善王寺太陽光発電所
・所在地     :宮城県登米市米山町善王寺永沢114番1
・発電事業者の名称:登米ソーラー(SPC)
・最大出力    :2,183kW
・年間発電量   :217万1000kWh(初年度想定)
・運転開始    :2017年10月17日

〔加美町のプロジェクト〕
・発電所の名称  :加美八幡堂太陽光発電所
・所在地     :宮城県加美郡加美町原八幡堂西一番77番1
・発電事業者の名称:加美八幡堂ソーラー(SPC)
・最大出力    :1,853kW
・年間発電量   :162万6200kWh(初年度想定)
・運転開始    :2017年9月27日