地方創生コラム 第10回
夢・希望溢れる日本を目覚めさせましょう
課題先進国日本。少子高齢化社会を迎え、地方創生が叫ばれている。本当に地方が創生していくためには、そこに住む人間が元気になっていく必要がある。さまざまな施策も経済もさまざまな組織集団も、全ての営みは、人間を元気に、幸せに、活躍できるようにするためにある。だから人間に焦点を当てた政策・施策、経済活動が必要だと思う。
しかし、人間が元気になる上で、私たちはこれまで無意識の領域に光を当てて来なかったと思う。高度成長期、モノづくりに集中できる時までは、考える道程がなくても、ただ組織から言われることだけをしていればよかった。精神がなくても、モノづくりをするだけでよかった。日本は、モノづくりで奇跡の経済成長を続け、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本も出版されるほどで、このまま行けばアメリカを追い越してしまうのではという勢いがあった。
しかし、モノづくりで勝負していた健全な資本主義は、金融資本主義によってひっくり返されてしまい、プラザ合意に見られるように西欧・アメリカによる政治の力で経済が捻じ曲げられた結果、200%の円高になってバブルが引き起こされた。その後30年に渡る低迷が続いている。
明治150年。世界史に残る奇跡を成し遂げた明治維新。西洋とは最も離れた極東で、単独近代化を成し遂げて理想に燃えた栄光が先の大戦で破壊され、焼夷弾も原爆も落とされて、さらに精神も破壊された。アメリカのルール通りに経済に集中しても、それもまた破壊される。こんなに酷(ひど)い状態なのだが、それでもGDPは世界第3位なのに驚く。日本には、底力があるのだ。
私たちが少子高齢化社会になっていくのも、なぜか盛り上がれず、なかなか元気になれないのも無意識の自己否定のメカニズムがはたらいていることを認識する必要がある。この無意識の自己否定を再度ひっくり返すことが必要だ。
みんなが本当に元気になっていく地方創生とは、実は“心の創生”が必要なのだと思う。みなさま、日本の心を取り戻して健全な精神を再構築し、平和で夢・希望溢れる世界を創っていきましょう!
(株式会社森のエネルギー研究所 代表取締役 大場龍夫)