2019年7月8日

お知らせ 奥飛騨・高山フォーラム&ツアーを開催しました【7/3:ツアー】

再エネ施設や新産業育成現場を訪問

【7/3(水)ツアー 訪問地区:奥飛騨温泉郷地区】
 一般社団法人日本サステイナブルコミュニティ協会(代表理事会長:増田寛也・東京大学大学院客員教授、略称:JSC-A)は、地熱、未利用木材、水力など多様な再生可能エネルギーを活用した発電事業や、温泉を利用した新産業づくりに取り組む高山市の奥飛騨地区を訪問する「奥飛騨・高山ツアー」を7月3日、現地で実施しました。
 見学したのは①地場産品の飛騨山椒を育成、加工する有限会社飛騨山椒の農園 ②地熱(温泉)による錦鯉養殖 ③奥飛騨第1バイナリー発電所 ④奥飛騨第2バイナリー発電所(予定地)⑤安房谷小水力発電所(予定地)⑥ナガセスッポン養殖場 ⑦飛騨高山しぶきの湯バイオマス発電所――の7カ所。

①飛騨山椒
 飛騨の山椒は古来より大和土と水に恵まれたこの地域で自生していた香りの強い優れた品種で、代々地元の人々によって大切に育てられてきました。7月末から8月末にかけて、実を一房ずつ手で収穫します。陰干し・日干しした後、丁寧に実を取りだし、注文がある分だけ杵でついて山椒をつくっています。


②錦鯉養殖
 地熱による錦鯉養殖は、一重ヶ根地域の豊かな温泉資源と狭い平坦地を有効活用することの一環として、一重ヶ根地域の余剰温水を利用して錦鯉の養殖事業を行い、新たな産業による雇用と観光資源の創出を目的としています。





③奥飛騨第1バイナリー発電所
 高山市奥飛騨温泉郷は古くから温泉が噴出しており、観光地として栄えてきました。この資源豊かな土地で、地域への給湯に用いていた源泉を利用したバイナリー発電所を建設しました。発電に利用した後の温泉は従来通り地域へ給湯され、さらに発電事業による収益の一部が源泉使用料として地域に還元されるため、地元にとってのメリットが創出される発電事業です。


④奥飛騨第2バイナリー発電所(予定地)
 平成29年度に温泉掘削を行った合同会社1号泉を使用した発電方式のバイナリー発電所(「奥飛騨第2バイナリー発電所」仮称)250kWを計画しています。この源泉は、現在、給湯に使用されていますが、掘削時の噴気試験ではバルブを全開できない非常に優勢な源泉です。




⑤安房谷小水力発電所(予定地)
 安房谷小水力発電所は、小⽔⼒開発に関する豊富な知⾒と経験を有する民間業者と地元住民が連携して、適正ルールを遵守した小⽔⼒開発を推進することで地域の乱開発を防⽌するとともに、地域のための「地域貢献型開発」モデルに転換する期待を担った発電所です。




⑥ナガセスッポン養殖場
 平湯の天然温泉と山水ですっぽんの養殖を行い、独自の方法で栄養補助食品の製造から販売までを一貫体制で行っています。平湯温泉の大自然が育んだすっぽんの滋養強壮はもちろん、アミノ酸やコラーゲン、ビタミンを豊富に含んでいるので、美容・健康にも最適です。





⑦飛騨高山しぶきの湯バイオマス発電所
 岐阜県高山市の『新エネルギービジョン』の目標達成に向けて、「宇津江四十八滝温泉しぶきの湯」にて木質バイオマス発電・熱利用の実証事業を実施しています。積極的な自然エネルギーの導入の事例を作る事で、化石燃料からバイオマスへの転換促進を図ると共に、自然エネルギー活用の普及・啓発に役立たせてます。そこで本事業における成果及び情報について出来る限り公開いたします。また、燃料供給は高山市内業者が行い、高山市近隣から集めた地元材を活用することで、“エネルギーの地産地消”を目指します。

 

 2日間を通じて参加者は地元だけでなく東京、名古屋、大阪などからも多く駆けつけ、地域とともに歩む奥飛騨・高山の未来の可能性を感じられる内容となり、盛況のうちに幕を閉じました。