8月27日、名古屋市で「エネルギーの地産地消で
地域創生&『パリ協定』貢献」セミナーを開催
名古屋で「世界首長誓約/日本」第1回セミナー開く
―JSC-Aからも講師
温室効果ガス排出削減を目指す世界の自治体の首長が加盟する「世界気候エネルギー首長誓約」の日本組織である「世界首長誓約/日本」(事務局:名古屋大学大学院環境学研究科)は8月27日、名古屋市で「エネルギーの地産地消で地域創生&『パリ協定』貢献」セミナーを開催しました。ブロック別では全国で初めての開催です。首長誓約に賛同し加盟を目指す国内の自治体を増やすのが目的です。
名古屋市の会場には静岡、岐阜、愛知、三重の4県から県・市町村の行政関係者を中心に、企業・市民も含め約70人が参加しました。
今回の同組織のセミナーには環境省も注目し、森本英香・事務次官が「世界首長誓約/日本への期待」と題して挨拶に立ち、「これまで環境行政は公害などの規制に重点を置いてきましたが、今後は具体的施策にも言及し、地域内でのエネルギーの地産地消を進める地域循環共生圏づくりなどを通して脱炭素社会づくりを推し進めていきます」という考えを示しました。
日本組織の立ち上げには日本サステイナブルコミュニティ協会(JSC-A)の代表理事副会長の杉山範子・名古屋大学大学院特任准教授が当初から力を尽くしてきたこともあり、JSC-Aでは今回のセミナーに講師を派遣するなど支援する体制を取りました。
当日の講演には柏木孝夫JSC-A代表理事副会長が東京工業大学特命教授の立場で演壇に立ちました。柏木教授は「分散型エネルギーによる地域創生」というテーマで基調講演を行い、①再生可能エネルギーは今後経済的に自立した主力電源となる②電源構成に占める分散型電源の割合は2030年には30%になる――という見方を示しました。
またJSC-Aの竹林征雄顧問は「東海地方におけるグッドプラクティス」というテーマで、①熱電併給事例=岐阜県高山市の「しぶきの湯バイオマス発電所」②畜産糞尿を使った事例=富士宮市の「富士山朝霧バイオマスプラント」――などを解説しました。最後に再生可能エネルギー導入による地域産業と街づくりを支援する組織としてJSC-Aの役割と有効性を紹介しました。
同セミナーでは、このほか静岡県エネルギー政策課が「『ふじのくにエネルギー総合戦略』~エネルギー地産地消の取組」、豊橋市環境政策課が「豊橋市バイオマス資源利活用施設整備・運営事業の取組み状況について」というテーマで講演しました。
欧州では2008年から温室効果ガス削減についてEUの基準を上回る目標を自治体の首長が誓約し、行動計画を策定する動きが広まりました。現在までに7,700の自治体が参加しています。2016年には同様の活動を続ける全世界で630の自治体が加盟する別組織と合流し、現在の「世界気候エネルギー首長誓約」(世界首長誓約)となりました。今回のセミナーはこうした世界の流れを受けて開催したものです。我が国における現在の誓約自治体は大津市、ニセコ町、五島市、豊中市、南牧村、三島市、与謝野町の7自治体あります。
世界首長誓約/日本セミナーレポート
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